はじめに
平成23年3月11日、日本中を震撼させた「東日本大震災」が起こりました。それ以降も地震・台風・竜巻・大雨・噴火・大雪等の自然災害が、各地に大きな被害をもたらしています。
近畿地区においては、平成7年の「阪神・淡路大震災」から21年、あらためて、東南海・南海地震(震度6弱)が予告されています。その前に、黄檗(震度6強)、宇治川(震度6強)、生駒(震度6強)、井出の各断層が動くとも言われています。
このような地震や暴風・大雨などの大きな災害が起こった時、市や消防署などの救援活動はすぐには対応できない状況になることが多く、そういう状況の時、個人・自治会がどのように活動するかが非常に重要になります。そのために「自分たちの地域は自分たちで守る」という連帯感を日頃から作り上げると共に、災害発生時には地域全体で迅速に全員が助け合い、行動できる体制をつくっておく必要があります。
また、被害を最小限に抑えるには、住民一人ひとりが災害に対しての知識や関心を持ち適切で落ち着いた行動ができるよう身に着けておくことが大切です。
天災は、決して他人事ではありません。「自分たちの地域は自分たちで守ろう」と折居台自主防災会が平成16年に発足してはや11年が経ちました。先人たちが折居台独自の防災ハンドブックを作成し、その都度改訂してきました。しかしながら、初回配布より約10年、その間に入居された方、建て替え、転勤等でハンドブックを紛失された方もおられると思いますので、再作成いたしました。
ご家庭で防災に対しての再認識のためにご活用いただければ幸いに存じます。
1. 災害について
(1) 地震の基礎知識
プレート型は、東南海・南海地震(M8.1)が予測されています。この地震に対して、宇治市では震度6弱の強い揺れが予想されています。折居台の建物は昭和57年以降に建築されているので、昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた建物は新しい建築基準法(新耐震基準)に基づいており、建物の倒壊は少ないと予想されます。
直下型は、活断層が震源となるものです。黄檗(M7.1)、宇治川(M6.5)、生駒(M7.5)、井出、西山(M7.5)、東縁(M5)の各断層を震源とするものが予測され、想定震度6強と南海・東南海地震より大きな被害が予想されます。
(2) 暴風・大雨・大雪の知識
台風・大雨や大雪は、地震のように突然発生することはないので、テレビ・ラジオなどで情報を的確に把握しましょう。また、台風の進路は予報通りにはならないこともあるので、最新の情報を得るようにしましょう。
(3) 火災の知識
- 住宅火災の犠牲者の半分は、高齢者で、大半が逃げ遅れによるものです。
- 住宅火災の犠牲者の多い発火源の順番は、「たばこ」によるものが、一番多く、続いてストーブ、こんろ、マッチ・ライター、電気器具類の順です。
- 住宅火災の犠牲者の多い着火物では、「ふとん類」が一番多く、続いて衣類、くず類、内装・建具類、ガソリン・灯油類、紙類の順です。
((3)項は、総務省消防庁の「特集新たな住宅防火対策の推進」からです。)
2. 家庭で災害に備えよう(自助)
(1) 家庭で安全対策をして、ケガをしない、火を出さないが基本です
- 家具の転倒防止、目より高いところにものを置かない、懐中電灯は紐をつけ決まった場所に置く、タンスなどの一番下の段に薬などを入れておくなどの地震対策をしておく。
- 不用品は整理しておく。
- 消火器を備え、いつでも使用できるよう、訓練しておく。
- 車のガソリンは半分になったら、給油しておく。
- 家族の情報を確認しておく。
氏名、連絡先、血液型、安否の確認方法、避難路、避難先。 - 伝言ダイヤル「171」の方法を知っておく。
- 緊急速報「エリアメール」(NTTドコモ)、緊急速報メール(ソフトバンクおよび KDDI(au))の登録をする。
- 京都府防災・防犯情報メールの登録をする。
(2) 災害に備えよう
地震の時はどのように行動したらいいか
地震の揺れを感じた場合、あるいは緊急地震速報を見聞きした場合は、まずはあわてず身の安全を確保してください。そして、落ち着いてテレビやラジオ、携帯電話やスマートフォンのワンセグやネット通信機能など、様々な手段を使って正確な情報の把握に努めましょう。
災害時はFMうじ(88.8MHz)で情報収集を。
大規模な地震が発生した場合、まず近くの公園や空地など一時集合場所に集まり、ご近所で安否確認をしてください。その後、家屋の倒壊や火災などの危険性がある場合は、落ち着いて集団で避難してください。
家の中では・・・
- 頭を保護し、丈夫な机の下など安全な場所に隠れましょう。
- 家具や吊り下げ物から離れましょう。
- 揺れがおさまるまでは危険ですので、あわてて外へ飛び出さないようにしましょう。
- 火事が発生した場合には可能ならば火の始末をし、火元から離れている場合は無理して火元に近づかないようにしましょう。
- ブレーカーを落としてから避難しましょう。
屋外(街)では・・・
- ブロック塀や家屋、建物そのものの倒壊に注意しましょう。
- かばんなどで頭を保護し、看板や割れたガラスの落下から身を守り、広場などの安全な場所へ避難しましょう。
非常持ち出し品の準備を!!
避難情報(3段階で発令)
(3) 家の中の安全対策
家の中にも危険があります。家具の固定など転倒防止対策は家庭でできる簡単な事ですが、大事な地震への備えになります。家族でいろんな意見を出し合い、いざという時のために備えておきましょう。
家具の固定ポイント
家屋の外観を確認しましょう
家屋の耐震診断・耐震補強などの耐震対策をしましたか?家屋の倒壊等により大きな被害が予想されます。このような被害を防ぐためにも、早めに危険箇所がないかを確認し、耐震補強を行っておきましょう。
(4) 家庭での防災対策
家屋の風水害対策
- 屋根瓦やトタンにひび、割れやズレがないか確認し、あれば補強しておきましょう。
- アンテナはしっかりと固定しましょう。
- 雨どいが土砂や落ち葉などで詰まっていないか確認をしましょう。
- ベランダに、鉢植えなど落下や飛散の危険があるものはなるべく置かないようにしましょう。
- 窓ガラスにひび割れや破損、窓枠のがたつきはないか、確認をしておきましょう。
- プロパンガスもしっかりと固定しましょう。
豪雨に備える
- ラジオやテレビなどの気象情報に注意をしましょう。
- 停電時に備え、懐中電灯やラジオの用意をしましょう。
- 断水時に備え、飲料水や食料、非常持出品を準備しておきましょう。
また、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保しておきましょう。 - 豪雨の中での外出は危険ですので、控えましょう。
簡易水防工法
雨水タンクの設置
雨水タンクを設置し、雨を貯めることで浸水被害の軽減につながり、災害などの万一のときには防火用水やトイレ用水などに利用できます。
また、貯まった雨は花や木への水やりや道路への打ち水などに利用できます。
3. 災害時の活動(共助)(公助)
(1) 折居台自治会・折居台自主防災会
情報入手・伝達・救急・救援活動を行います。
- 自治会は「折居台自主防災会 組織図」に基づいて活動します。
- 折居台自治会防災センターを北集会所(2丁目)に置きます。
防災センター開設の情報は、自治会役員連絡網等でお知らせします。 - 市役所、消防署、警察署等との連絡をとります。
- 子供会、楽遊会、菟道学区福祉委員会・折居台福祉委員会、折居台民生児童委員、防犯推進委員会 等と連携します。
(2) 宇治市役所からの情報
宇治市役所からの情報は、FMうじ(88.8MHz)にて、報道されます。
(3) 宇治市の公助
宇治市の公助の1部は、下記に抜粋しました。積極的にご活用ください。
宇治市 高齢者のための総合ガイドブック【生き生き手帖】(65才以上の市民に配布)
この手帖の中での、災害時に関係ある項目の抜粋です。
シルバーホンの設置 P.45
- ボタンひとつ押すだけで、消防本部に連絡がとれる緊急通報装置(シルバーホン)の貸与・設置
- 利用できる方:
おおむね65歳以上のひとり暮らしの高齢者、又はおおむね65歳以上の高齢者で、未成年者、重度の身体障害者、ねたきりの配偶者と同居している方。
(所得税非課税ならば無償、そうでなければ自己負担で使用することが可能) - 申請の提出;宇治市健康生きがい課又は近くの地域包括支援センター
要配慮者の情報登録 P.52
- 登録できる方:障害者や高齢者などで、災害時に自力避難することが困難な方。
- 情報が消防指令システムに登録されることで、消防隊などがその情報を活用し早期に救出しようとするもの。
(登録場所:各消防署、健康生きがい課 および 障害福祉課)
(4) 京都府の防災・防犯情報メール
京都府からメールで携帯電話・パソコンに「防災・防犯情報」をお届けします。